本紙は以前から政党交付金が政治とカネにまつわる不正の元凶であることを指摘してきた。与野党を問わず、多くの政党はこれに加えて企業献金も受けている。政党助成金は「政界の浄化」を掲げた細川護煕内閣が、企業・団体献金を廃止するという大前提のもと、その代替財源として1994年に導入した。
年間およそ320億円が交付され、これまでの支給総額は7千億円にも及ぶ。導入から25年になるが、企業・団体献金は廃止されず、「右手に税金、左手に献金」という二重取りが続いている。
交付された助成金は各政党本部から支部へ流れ、さらに政治家個人の政治資金団体や後援会というブラックボックスに入る。政党助成法では「政党交付金は国民の信頼にもとることのないように、適切に使用しなければならない」としているものの、「交付に当たっては、条件を付し、またはその使途について制限してはならない」と規定され、例外として禁止されている借金の返済と貸付以外は、基本的に使途の自由が認められている。
さらに国会議員への優遇措置はまだある。政党を除く「人格なき社団等」とされる政治団体は、収益事業に該当しない「寄付金」の収受に法人税が課税されない。また「公益を目的として事業を行うもの」と位置付けられていることから、寄付金に対して贈与税や相続税が課税されることもない。親の政治団体から子の政治団体へ「寄付」として資産を移せば、子の政治団体には法人税も贈与税も相続税も課税されることがない。
政治資金規正法による「量的制限」で年間5千万円までとされているが、これはあくまで「政治団体1つ当たり」の話だ。資金管理団体が、政治家1人につき1つと定められている一方で、それ以外の私的な政治団体については数的な制限など存在しない。すなわち闇のサイフはいくらでも持てるということだ。親議員の持つ政治団体の数が多ければ多いほど、年間に寄付できる金額は多くなる。10の政治団体を持っていれば、年間5億円まで無税で資金移転が可能になる。(2019/05/13)