ヘッドハンティングの引抜料

支払手数料で処理


 他社から優秀な人材をヘッドハンティングするときには、「引き抜き料」などの名目で数百万円単位の金銭を支払うケースがある。こうした支出は、入社にかかる契約金としての意味合いを持つため、スポーツ選手などの契約金と同様と考え、「その他自己が便益を受けるための費用」に該当する繰延資産として処理しがちだ。

 

 しかし、引き抜きの場合は、専属契約の拘束力があいまいであり、その効果が長期にわたって持続する保証はないため、繰延資産ではなく支払手数料として処理する。

 

 支払手数料であればその事業年度の損金算入が可能となる。また、人材を引き抜くにあたって、レストランで食事をしながら、会社や待遇などについての説明をすることがあるが、こうした「求人のために行う食事」にかかった費用は交際費として処理する必要がある。

 

 ただし、1人当たりの飲食費が5千円以内であれば、交際費から除外することができる。この規定の適用を受けるには、飲食等の年月日、参加者、人数、飲食店名および住所などが記載された書類を保存しておく必要がある。(2017/12/08)