配偶者控除の見直し

150万円でも家計潤わず


 来年1月から始まる配偶者控除の見直しで得をするのは、約3百万のパート世帯だとされている。だが、実際にそうなのだろうか。

 

 見直しでは、主な稼ぎ主である夫の年収が1120万円以下の場合、38万円の控除を受けられる配偶者である妻の年収は、これまでの103万円以下から150万円以下に引き上げられる。

 

 しかし、妻がパートで働く時間を増やして150万円を稼いだとすると、社会保険料も約17万円から23万円に増えてしまう。週20時間以上働き、同じ職場に1年以上勤める見込みがあるなどの条件を満たす人は、年収106万円以上で厚生年金や健康保険に加入しなければならないからだ。

 

 さらに所得税と住民税もアップし、結局妻の手取りは約122万円に目減りする。思うほどの恩恵はない。(2017/06/12)