連鎖倒産に備える共済制度

100%の解約返戻金


 取引先の倒産によって中小企業が連鎖倒産することを避けるため、中小企業基盤整備機構は「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」という制度を設けている。これは、取引先が倒産したことで売掛金が回収困難となった際に、積立掛金の10倍を限度に売掛金債権額を貸し付けてもらえるという制度だ。

 

 貸し付けは無担保、無保証人、無利子で行われる。月々の掛け金は、5000円から20万円の間で5000円ごとに自由に設定することができる。積立限度額800万円、貸付金限度額8000万円となっている。

 

 同共済は、支払った掛金がその事業年度の損金に算入できるため、税務のうえでも非常に有益な仕組みになっている。さらに、納付月数が40カ月以上経てば、任意解約の場合でも100%の解約返戻金を受け取ることができる。リスクヘッジという目的とあわせ、余裕があるときに節税しながら貯蓄し、経営が厳しくなったら掛け金を引き出すという柔軟な利用もできる。(2017/07/19)