追徴課税を分納

納税猶予制度で原則1年間


 経営が苦しい時期に税務調査が行われ、しかも追徴課税されてしまったとしたら、誰もが「万事休す」と天を仰ぎたくなるだろう。だが、追徴課税が支払えない際は、「納税猶予制度」の存在を思い出してほしい。

 

 修正申告や更正で確定した日が本来の法定納期限より1年以上遅れている場合、「納税の猶予申請書」を提出することができる。この申請書は追徴課税の納期限までに提出しなければならない。

 

 猶予の理由としては、「納税者が、その財産につき、震災、風水害、落雷、火災その他の被害を受け、または盗難にあったこと」や「その事業につき著しい損失を受けたこと」などがある。

 

 猶予されると、1年の範囲で分納が認められる(猶予期間中の延滞税は、2分の1が免除)。1年ではどうしても払えないときは、その理由を税務署に訴える。それが「正当」なものだとみなされれば、最長で2年まで延長できる。

 

 それでも払えないときは、最終手段として強制執行が行われ、財産が差し押さえられる可能性がある。追徴課税は資金がなくとも必ず支払わなければならない。自己破産したとしても免責されない厳しいものだ。少なくとも、経理処理のミスで追徴課税されるような事態は避けたい。(2017/11/29)