葬儀や埋葬の費用負担を軽減するため、自営業者が加入する国民健康保険からは「葬祭費」が支給される。その額は自治体によって異なり、おおむね1万円〜7万円。自治体によっては、他の名目で補助金が出る場合もあるので、確認しておきたい。
そしてサラリーマンや会社役員などが加入している健康保険からは、その加入者によって生計を維持していた人に「埋葬料」が一律5万円支給される。同様に、加入者の家族が亡くなった場合は、加入者に「家族埋葬料」として一律で5万円が支給される。
健保組合によっては埋葬附加金として埋葬料とは別に数万円を支給することもある。また、身寄りのない加入者が亡くなったケースでは、実際に葬儀を行った者に「埋葬費」として最大5万円が支払われる。前出の「埋葬料」と区別された名称を使用しているので注意したい。
一方、労災保険の加入者が業務上の理由で死亡すると、労災保険から「葬祭料」が支給される。この支給対象は、必ずしも遺族とは限らないのがポイントだ。会社が社葬として葬儀を行うと、会社に支給される。葬祭料は健康保険の埋葬料などとは異なり、31万5000円に給付基礎日額の30日分を加算した額と、かなり手厚い。この額が給付基礎日額の60日分に満たなければ、給付基礎日額の60日分となる。給付日基礎額とは原則として労働基準法の平均賃金に相当する額としている。つまり、最低でも給付基礎日額の60日分は支給されるということだ。労災保険からの給付を受けようとする場合には、葬儀をした翌日から2年以内に申請手続きをすることと定められている。(2017/07/07)