自慢の美術品を家で大切に保管している愛好家は多い。しかしその作品が名品であればあるほど、将来の相続を考えると、何もせず眠らせておくのはもったいない。
相続税法では、相続税を金銭で納付することが困難なときには、金銭以外の相続財産で納付できる「物納制度」があるが、物納できる財産には優先順位があり、一般の美術品は第3位とされている。
しかし、「登録美術品制度」を利用すれば、国債や不動産などと同じ第1位とすることができる。登録美術品制度は、優れた美術品を広く国民に鑑賞する機会を与えることを目的として制定された。美術品所持者が文化庁に申請し、専門家の審査を受けて作品が登録されれば、美術館との契約により5年以上の期間、公開・管理されるというものだ。
ただし、相続開始時にすでに登録を受けたものに限られているので、美術品での物納を検討しているのなら、早めに申請をしておきたいところだ。(2017/10/20)