事業年度の途中で支給額が変わった役員給与は、会社の損金にできる「定期同額給与」にはならないのが原則だ。しかし、財務諸表の数値が相当悪化したときや倒産危機に陥ったときは、役員給与を減額しても損金にできる。
経営状況の悪化の明確な基準はなく、個々の事情に合わせて判断するが、「一時的に資金繰りがうまくいかなかった」「業績目標を大幅に下回った」というだけでは損金化は認められない。
給与額を変えても損金になるのは、取引銀行との協議の結果、借入金返済のリスケジュールの条件に給与減額が盛り込まれたときも同様だ。業績や財務状況、資金繰りが悪化し、取引先などの利害関係者からの信用を維持・確保する必要性から経営改善計画を策定し、そのなかで役員給与の減額が盛りこまれたときも損金にできる。(2017/04/14)