所有する競走馬が獲得した賞金は「事業所得」もしくは「雑所得」に分類される。他の所得と損益通算できる事業所得とするには、競馬法14条「馬の登録」の規定による登録を受けている競走馬(登録期間6カ月以上)を「5頭以上保有」しているか、もしくは「直近3年で競争馬を2頭以上保有し、3年以内に黒字の年が1年以上」あるか、どちらかを満たすことが必要だと、所得税法基本通達で定められている。
ちなみに、ここでいう黒字であるかどうかの判定については、①繁殖牝馬の子馬の売却による所得、②種牡馬の種付料収入による所得、③退厩奨励金に係る所得、④競走馬の譲渡による所得――は含まれない。
この数年の馬主の傾向として、複数の競走馬を保有するよりも、血統や馬格などの良い馬を調教して確実に収益を上げていくケースが多い。そのため国税当局では単純に保有する競走馬の頭数だけではなく、賞金収入や出走回数なども考慮して所得区分を判断するという。例えば、ここ3年間で競馬賞金などの収入があり、年間5回以上(2歳馬については年間3回以上)出走している競走馬を保有する年が1年以上ある場合には、その競走馬の保有に係る所得は事業所得に該当するとしている。
また、確定申告の際には、日本中央競馬会、地方競馬全国協会および地方競馬主催者が発行する「競走馬の登録、出走回数および競馬賞金収入等証明書」(中央競馬)、「競馬賞金等の収入証明書」「競走馬の登録及び出走回数等証明書」(地方競馬)を添付する必要がある。(2017/10/19)