永年勤続者表彰として旅行や観劇などへ招待したり、記念品を贈呈したりすることがあるが、なかには現金を支給している企業もある。
しかし、現金で支給した場合は原則として税務上「給与」と判断され、表彰された役員や従業員に所得税が課税されてしまう。現金を支給しても会社の福利厚生費として損金算入でき、役員や従業員に所得税が課税されないためには、享受する利益の額が、その役員または従業員の勤続期間などに照らして「社会通念上相当」と認められものでなければならない。
加えて、おおむね10年以上勤務した人を表彰するもので、通算2回以上表彰を受ける人については約5年以上の間隔をおいて行われるものでなくてはならない。
社員への感謝の気持ちとはいえ、大盤振る舞いには注意が必要だ。給与として扱われた支給品は、会社がその物品に対して源泉徴収の義務を負うことになる。支給を受けた人も、給与所得が増えるため、所得税や住民税を増額して追納しなければならない。(2017/06/21)