相談役に就任した元社長

税法上の「役員」とは?


 社長が事業承継で息子に経営を任せ、自分は相談役になったとする。取締役会には参加するが、意見を述べる程度で、その決議には参加しないことにした。

 

 このようなかたちで相談役を務める元社長は、法人税法上で役員とみなされない。そのため支払った給与は役員給与ではないため損金に算入できる。

 

 法人税法では「役員」の定義について、法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事、清算人のほか、「法人の経営に従事している者」としている。

 

 経営に従事していると判断されるのは、会社の主要な業務執行の意思決定に参画し、経営上の重要事項に対して決定権があり、その結果に責任をもたされるひと。この場合は、肩書がなんであろうと役員として扱われる。(2017/05/012)