相続人が未成年

20歳になるまでの期間により税額控除


 相続人が未成年のときは、満20歳になるまでの年数に応じて、1年あたり10万円を相続税額から控除できる。1年未満の期間は切り上げられる。例えば17歳5カ月の人なら、20歳になるまでの期間は2年7カ月だが、7カ月分は1年に切り上げて合計「3年」で計算し、控除額は30万円となる。

 

 この控除額が未成年者本人の相続税額より大きく、全額を引ききれないときは、その部分の金額を未成年者の扶養義務者の相続税額から控除できる。

 

 なお、民法4条では20歳を成年と定めているが、未成年者にも成年としての地位を与える「成年擬制」の規定として、「未成年者が婚姻をしたときは成年に達したものとみなす」(同753条)と定められている。

 

 この成年擬制の効果は基本的に民法以外には及ばない。そのため、結婚して民法上は成年とみなされても、飲酒や喫煙が認められていないのと同様に、20歳未満の相続人は未成年として相続税額から一定の金額を控除できる措置を適用できる。(2017/04/01)