相続した土地の取得時期

相続時?購入時?


 相続で土地を取得した人の税務上の「取得時期」は、相続時点ではなく、被相続人が土地を購入した時期とされる。そのため、土地売却時に税額計算する際に必要になる「取得費」はその購入時期を基に算定する。

 

 税金は、土地を売ったことで得た金額から土地の購入価格(取得費)と売却にかかった費用を差し引いた額に掛けられる。だが、被相続人の取得時期が古く、取得額が明らかでないなら、譲渡額の5%相当額を取得費にする。

 

 ただし、よほど土地の価格が低い時代でなければ取得価格は譲渡額の5%以下にならないので、実際の取得額を可能な限り調べないと損になってしまうことが多い。

 

 また、土地の売却益に掛かる税率は所有している期間で異なる。所有期間が5年超なら譲渡額の15%、5年以下なら30%で、この期間についても被相続人の購入時期で判断する。被相続人が15年前に購入し、相続人が4年前に相続した土地を今年売れば、所有期間は5年超となり低い税率(15%)を適用できる。(2017/04/09)