文化庁に認められた「登録美術品」は、金銭の代わりにモノで納税する「物納」ができる財産として、不動産や株式より先に納付できる。
親から相続した財産が不動産と美術品だけで、現金で相続税を納付できない場合、美術品が登録美術品なら不動産を手放さなくても済むことになるわけだ。
物納できる財産には、被相続人が残した国債、地方債、不動産、船舶、社債(短期社債除く)、株式、株券投資信託、貸付信託の受益証券、動産がある。これらには納められる順番があり、通常の美術品(動産)は最後に納付することになっているが、登録美術品は最初に納めることが認められる。
登録美術品制度は、個人が所有している重要文化財、国宝、また歴史上や学術上優れた価値がある美術品を国が登録し、美術館で公開する制度。所有者のメリットには、物納しやすくなるほか、専門家によって安全かつ適切に保管されるという点がある。(2017/04/03)