「熟年離婚」では、妻から夫に離婚話を持ち出すケースが圧倒的に多いという。離婚などとんでもないと思う夫はその前に、長年連れ添った妻へ感謝の気持ちを形で示しておくのがよいだろう。
そこで、いわゆる「おしどり贈与」を考えたい。婚姻期間が20年以上の配偶者であれば、マイホーム(居住用不動産)の贈与が2000万円控除される。暦年課税の非課税枠110万円と併用すれば、合計2110万円まで控除が可能となる。
また、マイホームの評価額の2分の1の持分を配偶者に贈与するという方法も考えられる。例えば評価額4200万円なら、「4200万円×1/2=2100万円」で、配偶者の税負担は0円となる。
婚姻期間の「20年」は、民法に基づき婚姻の届け出があった日から贈与のあった日までの期間により計算する。その際、端数は切り上げないので、「19年11カ月20日」では適用できない。
また、所有権移転登記のための登録免許税(固定資産税評価額の2%)、不動産取得税(固定資産税評価額の3%)が必要となる。いざとなって「使えない?」「えっ、無税じゃないの?」と相手を呆れさせ、かえって株を下げることにならないようにしたい。(2017/08/10)