経理担当者が給与計算を間違えて源泉所得税を多く納付してしまった。実務上では起こり得ることだ。
過納付には、大きく分けて次の3つのケースが考えられる。①源泉所得税の適用税率を誤って税額を過大に徴収してしまう、②そもそも源泉徴収不要なのに徴収してしまう、③源泉徴収した金額よりも多い額を納付してしまう――というパターンだ。
ただ、こうした失敗は解消できる。「源泉所得税の誤納額還付請求書」を提出することで、過大に納付した金額の還付を受けることができるためだ。
しかし、このミスが命取りになった店があった。あるキャバクラ店の店長が源泉所得税を2年間で700万円も過払いしていた。風俗業界に疎かった顧問税理士が見逃していたのだ。そこで店長は、税務署に「誤納額還付請求」するため資料を提出。税務署は店を訪問し、事実確認のための税務調査を行ったのだが、税務職員の来訪を店のホステスさんたちが怖がってしまった。
ネットの掲示板には、「店に税務調査が来た」「この店は危ない」など事実無根の書き込みがされてパニックに陥る。結局、ホステスさんたちは、一斉に店を辞めてしまったという。(2017/09/05)