平成29年度の税制改正で、富裕層への課税がまたもや強化された。被相続人、相続人の国外居住が5年間を超えると、海外資産を相続・贈与する際、居住国の税率が適用されるという通称「5年ルール」があったが、その期間が10年に延長された。
日本では、相続税・贈与税の累進課税による最高税率が55%であることから、財産の多い人は相続時にその半分以上を持っていかれてしまう。しかし、シンガポールなど一部の国に移住すれば、日本の税金から逃れて無税で財産を子や孫に継承できる。
そのため近年、国内財産を海外に移し、5年を超えて海外に居住し、租税を回避する富裕層が続出していた。日本での非居住期間が10年に延長されたことで〝海外脱出〟が難しくなりそうだ。(2017/06/26)