株式を購入する際の大きな選択肢のひとつに「株主優待」がある。食事券や自社製品の詰め合わせなど、対象銘柄の特徴が満喫できる優待品もあれば、自由度の高いクオカードなどの金券が提供される場合もある。株主優待を廃止したため「優待目当ての株主」が売りに走り、株価が下がった銘柄もあるほどだ。
一方で、業績悪化により配当が出せないからこそ、株主優待に力を入れることで個人投資家による「売り」を防止する企業もあり、株主優待に対するスタンスは企業によってさまざまである。
株主優待により提供されるもののなかには、ホテルの宿泊券など、それなりに高価なものも少なくない。では、株主優待により個人投資家が得た経済的利益は税務上どのように取り扱うべきなのだろうか。
所得税基本通達24-2により「法人が株主等に対して供与した交通機関の優待乗車券、映画、演劇等の優待入場券、ホテル、旅館等の優待施設利用券、株主に対する値引き販売等は、法人が余剰金または利益の処分として取り扱わない限り、配当には含まれない」とされている。
つまり雑所得として取り扱われることになるため、給与所得や退職所得以外の各所得との合計額が20万円を超えなければ確定申告は不要で、税金はかからないということだ。(2017/07/18)