株の配当金にかかる税金は基本的には源泉徴収されるので確定申告する必要はない。だが、確定申告をすると配当控除の適用か、損益通算ができるメリットがある。そして、配当金を確定申告するときに「総合課税」「申告分離課税」のどちらで申告するかによって、それぞれ得になる場合と損になる場合がある。
総合課税で申告すると配当控除を受けられる。税率が15〜55%の累進課税なので、所得が多いほど税率が高くなる。総合課税を選んで得をするのは、配当を含めた課税所得が695万円以下の人。そして、配偶者控除などの適用を受け、配当以外に所得がなく(専業主婦など)、株の利益や配当所得などの合計が38万円以下の人だ。損するのは、課税所得が695万円超の人、配偶者控除などの適用を受けて所得の合計が38万円以上の人(扶養から外れてしまう)。
一方、申告分離課税で申告すると税率は一律20%で、株や投資信託などの譲渡損失と損益通算ができる。申告分離課税を選んで得するのは、株やETF、株式投信の売却損がある人。損するのは、配偶者控除などの適用を受けている人で、株の利益や配当所得などが38万円超の人。(2017/07/12)