期限を過ぎた届出

「災害などその他のやむを得ない理由」とは


 役員に支払うボーナスを「事前確定届出給与」としておけば、経費として計上できて、かつ節税にもなる。ただし、定時株主総会 (もしくは事業年度から3カ月以内の日)までに、税務署に届けた支給金額と支給時期が異なれば経費とはならない。

 

 例えば、500万円支給する届け出をしていたが、資金繰りが悪くて200万円しか支給できない場合、この200万円は損金不算入となる。増えても減っても不算入となるため、業績の下降が見込まれるのであれば、抑えた金額を設定するか、届出書を提出しない方がよいだろう。

 

 過去には、経理担当者が交通事故に遭って入院したため、届出期限を1カ月過ぎて提出した事例があった。このときは、客観的にやむを得ない状態だとして、事前確定給与が認められている。これは国税通則法11条関係の中の「災害などその他のやむを得ない理由」による。(2017/06/11)