成人年齢引き下げの民法改正案

「18歳」で税制にも影響か

 成人年齢を18歳に引き下げる民法改正案が次の国会へ提出されることになりそうだ。

 

 これに伴う税制面での影響について考えてみる。現在の税制では、20歳を境界線にしている制度がいくつかある。その代表的なものが相続税の優遇措置の「未成年者控除」だ。

 

 これは、相続や遺贈により財産を取得したときに20歳未満である人が、相続税額から一定の金額を控除できるというもの。控除される税額は、その未成年者が満20歳になるまでの年数(1年につき10万円)で計算した額となる。例えば17歳5カ月の人なら20歳になるまでの2年7カ月は1年未満の期間を切り上げて3年で計算し、控除額は30万円となる。ところが、民法改正に伴い控除制度の適用対象も引き下げられれば、成人年齢まではわずか7カ月となり、控除額は10万円だけとなる。

 

 一方で贈与時の「相続時精算課税制度」は20歳以上を適用対象にしている。これは、子どもが親から贈与を受け、贈与税を納めた後に親が亡くなったとき、贈与財産の価額と相続財産の価額の合計をもとに算出した相続税額から、すでに納めた贈与税額を控除できるというもの。60歳以上の父母などから贈与を受けた20歳以上の子や孫が利用できる。(2017/09/09)