「宝くじで1等に当選したら半分あげるよ」と冗談まじりに言うことがあるが、本当に当たってしまい、約束通りに半分を与えることになったら税務上の処理はどうなるのか。
税法上は、110万円以上を渡すと、もらった側に贈与税が発生することになる。仮に1億円当たって半分の5000万円を譲渡すれば、基礎控除110万円を引いた4890万円に最高税率の55%を掛け、そこから控除額の400万円を差し引いた2289万5千円が贈与税として持っていかれることになる。
つまり、手元に残るのは2710万5千円のみとなる。これはつらい。そこで、当選金を減らすことなく分けたいと思う人は、共同購入という方法をとればよい。当選金受け取りの際に、分けたいと思う人と銀行へ行き、共同で宝くじを購入したことを伝える。すると、当選金も共同で、各々受け取ることができる。これで贈与税は回避できる。
注意しておきたいのは、受け取りの際に銀行が発行する「当選証明書」を大切に保管しておくこと。一度に多額の入金となるので、相続発生時や個人の税務調査があると、必ず「このお金はどうしたのか」と尋ねられる。「宝くじに当たって…」と言うだけでは信じてもらえない。「当選証明書」を見せれば、「そうですか」と引き下がってくれるだろう。(2017/07/13)