子どもの留学費用

経費で落としたいけれど…


 同族会社の社長が、跡継ぎとなる息子を海外留学させる。外国生活を通じて語学力を向上させるとともに、見聞を広めて教養を高め、幅広い人脈をつくらせたい。

 

 帝王学を学ばせるには、必要な投資と言えるかもしれないが、この海外留学の費用を会社のおカネと混同してしまうと、後々面倒なことになるかもしれない。

 

 会社が支払った留学費用を損金処理するには、「業務をする上で必要であり」かつ「留学先の選定方法が合理的」でなければならない。将来の会社経営に役に立つという理由だけでは「業務遂行上必要」とはいえない。

 

 したがって、会社が支払った留学費用は社長への役員給与として扱われる。さらに、この役員給与は定期同額給与に該当せず、損金不算入となるので注意したい。(2017/08/03)