妻の妊娠中に夫が死亡

胎児の相続権は?


 夫の死亡時に妊娠していた妻がそのあと無事に出産した場合、生まれた子どもは相続人として財産を受け取ることができる。死産の子どもには相続権はないため、相続人の数や法定相続分は出産まで確定できず、遺産分割協議は一般的に出産を待って行われることになる。

 

 相続人のなかに乳児がいるときの遺産分割協議では、乳児に代わって話し合いに参加する「特別代理人」を選任しなければならない。民法では個人に権利が発生する時期を「出生と同時」と規定していて、まだ出生していない胎児には基本的に個人としての権利を認めていない。

 

 しかし例外として、相続権と遺贈権、損害賠償請求権に限ってはお腹のなかにいる状態でも認められる。損害賠償を請求できる場面としては例えば、胎児の父が交通事故で死亡したケースでの加害者への請求などが挙げられる。(2017/05/27)