経理担当者にとって郵便切手の扱いは意外とやっかいだ。切手を購入したときに、「通信費(消費税:課税)」と処理する担当者も多いが、じつは郵便切手の売買は「非課税」とされている。
そもそも郵便切手は、郵便物の配達というサービス代金を、現金で支払う代わりに用いられているもの。郵便切手の売買は「非課税」だが、郵便物の配達代金は「課税」の対象となる。ややこしいので事例で説明しよう。
定型封筒の郵便を送る際の配達代金「82円(25グラム内)」には、消費税が含まれている。配達代金75円と消費税7円(円未満は四捨五入)の合計で82円となる。もし、郵便切手の売買が課税されると、82円の郵便切手を89円で購入しなければならない。
82円に消費税が含まれているのに、さらに7円の消費税が課税され、二重に消費税の負担をすることになる。それを避けるために、郵便切手の売買は非課税とされる。したがって、郵便切手を購入したときには消費税を「非課税」で処理し、郵便切手を配達代金として郵便物に貼って使用したときに初めて消費税を負担したという処理が正しいことになる。
だが、そこまで厳密な処理を行うことは実務的ではない。そこで、購入したとき、消費税を負担したものとして処理すること(「通信費(消費税:課税)」)が、継続適用を条件として認められている。消費税は、じつに複雑で面倒な税なのだ。(2017/10/06)