後継者の不在、経営の行き詰まり、親会社の方針変更などから、会社の整理を決断しなければならないこともあるだろう。会社をたたむ際の手続きは、債務超過や債権者との争いになっていなければ、社長自身で行える。
最初に、会社の財政状況の正確な把握、自身と家族の生活資金の確保と、従業員への転職のあっせんに努力すること。そして腹をくくって、会社の借金をきれいにすることに全力を尽くす。具体的には、会社の未払いの代金や給与、銀行からの借入を清算する。
このとき、銀行からの借入を少しでも免除してもらえれば、事業を続けられる可能性も出てくる。支払いを完全に完了できなければ、弁護士に依頼して特別清算する(借金を抱えたまま倒産)。
最後には、①会社の決算を締めて税金を払う、②債権者にお金を支払って借りのない状態にする、③法的な手続きに従って登記を消す――といった手続きを完了させる。
整理をやり抜く姿勢を金融機関や取引先は見ている。今後事業を再開したいと思ったとき、「この人は信用できるな」と支援してくれるかどうかは、いかにきれいに会社をたためるかによるかもしれない。再起にあたっては、日本政策金融公庫の「再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)」などの制度も利用できる。(2017/07/25)