交通事故の賠償金

非課税ゾーンをおさらい


 交通事故が原因で亡くなる人の数は、年間およそ4千人。誰もがいつなんどき事故に遭遇し、被害者または加害者になるかは分からない。その際に受け取る、あるいは支払う損害賠償金と税の関係をざっくり把握しておこう。

 

 交通事故で被害者が受け取る損害賠償金は、基本的に非課税となる。しかし、損害賠償金から必要経費を補てんしたとみなされた金額は、「収入」とされて非課税とされない。例えば、収入金額に代わる性質を持つ棚卸資産の損害、破損した店舗の補修中に借りた仮店舗の賃借料の補償などに対して損害賠償金を受けると、事業所得の収入金額となって課税される。

 

 一方、事業主(またはその使用人)が加害者になったとする。このとき、被害者に支払う損害賠償金は与えた被害を補てんするものであれば、慰謝料、示談金、見舞金などの名目を問わず事業所得の必要経費となる。ただし、商品の配送や売掛金の集金など業務の途中で起きた事故で、しかも故意または重大な過失がない場合に限られる。つまり損害賠償金は、事故が業務に関連のないとき、また無免許運転や酒気帯び運転など故意または重大な過失があるときは必要経費にならないということになる。(2017/08/06)