デンマークの所得税は55%

消費税は25%


 世界一税金が高い国は、北欧のデンマークだ。何と所得税55%(市税21%・県税11%・国税23%)、消費税25%(食料品もすべて25%)となっている。車の購入に至っては280%の税金。じつに年収の3分の1以上が税金として持っていかれる。

 

 しかし、納めた税金は、各々の生活内容や所得によって「還付」されるシステムとなっている。そのため老後の生活も安泰だという。教育費は大学まで無料、医療もすべて無料、介護も無料。住宅も全世帯数の25%が国営住宅であるため、ほとんどが無料。だから、日本のように生命保険、国民年金、厚生年金、そして極論すれば預金すら必要ないわけだ。

 

 「老後の資金」を準備せずとも、高水準の医療福祉が受けられる。デンマークでは、子どもは18歳で自立すべく家を出る。そして18歳以上の学生に関しては、国から生活費(月額約7・7万円)が支給されるので、親は子どもの学費、生活費を考えずにすむ。

 

 社会に出てからの有給休暇は6週間もあり、家族との時間を大切にできる。ちなみに、デンマーク人にとって働くということは、「生活するため」というよりも、「自立するため」といった意識だという。デンマークで暮らす唯一の難点は、「平安すぎて退屈」と揶揄する人もいる。

 

 莫大な税金の無駄遣いの果ての税負担増、見通しの立たない将来など、まったく退屈する暇がないどこかの国とは大違いだ。(2017/09/06)