新しいビジネス形態を作り出している「クラウドファンディング(CF)」。実現したい事業への出資を、インターネットサイトを通じて広く募るもので、これを活用する中小企業が増えている。事業に共鳴する人や会社が出資してくれるので、ファンづくりやマーケティングにもつながるからだ。
しかし、税金面では少々複雑なことになる。CFは、資金を調達する「調達者」と資金を提供する「出資者」、そして調達者と提供者を仲介する「CF運営業者」の3者によって成り立っている。この仕組みでは、資金調達するのが個人か法人か、また資金調達方法が「購入型」「寄付型」「金融型」のどの分類かによって税法は大きく変わる。
「購入型」は、支援者が出資することで、金銭以外の商品やサービスを受け取るというもの。モノやサービスを購入してもらっている以上、資金調達者が個人事業得主なら所得税、法人なら法人税がかかる。
「寄付型」は、事業に対する出資で、リターンは発生しない。個人から法人へ寄付する際、資金調達者が法人であると、寄附金が受贈益となり益金の額に算入される。資金出資者が個人であれば、課税や寄附金控除はなし。
「投資型」は、出資者が特定の企業などに出資を行い、リターンとして金銭(配当や利益の一部)を受け取る、または株式が発行されるというもの。資金調達者が個人事業主なら所得税、法人なら法人税がかかる。資金出資者は、出資時には無税となる。(2017/10/27)